チタンと汎用金属の物理的特性を徹底比較!

チタンと他の汎用金属と物理的特性を比較すると、比重から熱伝導率、ヤング率など、様々な違いが見られます。この優れたチタンの特性が、様々な分野でチタンが用いられ、ニーズが高まっている理由です。

ここでは、チタンと他の汎用金属と物理的特性を比較を表にしてわかりやすくご紹介いたします。

チタンと汎用金属の物質的性質の比較表

チタンと他の汎用金属と比較した場合の物理的特性は以下の表に示します。

物性値 純チタン
(TP340)
チタン合金
(Ti-6AI-4V)
普通鋼
(SPCC)
ステンレス鋼
(SUS304)
アルミニウム
合金
(A5052P)
マグネシウム
合金
(AZ31)

(C1020-0)
溶融点
(℃)
1,668 1,540~
1,650
1,530 1,400~
1,427
476~638 630 1,083
密度
(g/cm3)
4.51 4.43 7.90 7.90 2.80 1.77 8.93
線膨張係数
(10-6/K)
8.4 8.8 12.0 17.0 23.0 25.0 17.0
熱伝導率
(W/m・K)
17.0 7.5 63.0 16.0 121.0 159.0 385.0
比熱
(J/kg・K)
519 585 460 502 662 1,004 385
電気伝導率
(%対Cu)
3.1 1.0 18.0 2.4 30.0 40.0 100.0
電気比抵抗
(μΩ・m)
0.550 1.702 0.097 0.720 0.058 0.043 0.017
ヤング率
(Gpa)
106.3 113.2 205.8 199.9 71.5 44.8 107.8

 

チタンと他の汎用金属と比較した場合の物理的特性

上記の表をもとにまとめると、チタンの物理的特性は以下のようにまとめられます。

 

比重

チタンの比重はアルミニウム合金やマグネシウム合金に比べて大きいが、鉄の約60%、銅の約半分と小さくなっている。

 

線膨張係数

線膨張係数がステンレス鋼の約半分、アルミニウム合金の3分の1 と小さく、温度の変化に対する寸法や形状変化が小さくなっている。

 

熱伝導率

熱伝導率がステンレス鋼の約半分とアルミニウム合金やマグネシウム合金に比べて極端に小さく、密度×比熱で表される体積比熱が低くなっている。したがって、昇温しやすく、熱が伝わりやすくなっている。

 

電気伝導率

電気伝導率が低く、銅に比べると30倍ほど高い電気抵抗率があるため、ステンレスと同じくらい電気が伝わりにくくなっている。

 

ヤング率

ヤング率が、鉄鋼材料の約半分と小さくたわみやすくなっている。切削中に熱で切粉が発火する恐れがある。

 

これらの代表的な物理特性以外にも、非磁性、短い放射能半減期、水素吸蔵性、発足させることができるなどの特徴をチタンは持っています。そのため、チタンは航空・宇宙を中心として、化学、電力・造水、海洋・エネルギー、核燃料、建築・土木、輸送機器、民生品まで、様々な分野に使用されている材料として知られています。

>>チタンの適用範囲を一挙にご紹介!

 

チタン加工における問題点

これらのように優れた材料特性を持つチタンですが、その加工は非常に難しいものとして知られています。

こちらのコラムでは、チタン加工における5つの問題点をまとめてご紹介しております。

>>チタンの加工はなぜ難しいのか?

 

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