難削材加工における問題点とその解決策

ステンレスやチタン、インコネルなどの難削材は、航空機や自動車などの様々な業界において、現在需要が高まっています。しかし、難削材という言葉通り、難削材の切削加工は非常に難しく、極めて高い技術力が必要です。
今回はそのような特徴をもつ難削材加工における問題点とその解決法をご紹介いたします。

 難削材切削の問題点

難削材の切削時に起こりやすい問題は、主として以下の5項目に分類できます。

①熱伝導率が小さいため、切削時に発生した熱が逃げられずに工具と加工材に蓄積するため工具の磨耗が大きくなる。
②科学的に活性なため、切削速度が増すと切削熱の発生が多くなり、切削部の温度が高くなるため活性度が増し、工具の磨耗が大きくなる。
③継続的な変形により切りくずが生成されるため、刃先に加わる切削抵抗の変動が大きく、刃先が欠けたり大きく磨耗しやすい。
④ヤング率が小さいため切削したときに加工材が大きく変形しやすく、特に薄物の加工では、加工精度の低下やびびりが生じる。
⑤磨耗した工具や薄い切りくずが出る条件で切削した場合、熱で切りくずが発火することがある。

難削材加工のよくあるトラブル

以上の問題点があるため、以下のようなトラブルに繋がります。
・工具寿命が著しく短くなる
・加工精度、面粗度が悪くなる
・切り粉が発火して火災の原因となる。
・加工コストが高い

いずれも重大なトラブルであり、未然に防がなければなりません。

トラブルの解決策

さて、難削材加工におけるトラブルを未然に防ぐためには以下の4つの条件を備えている必要があります。

①高い剛性をもつ工作機械

②質の良い切削工具とそれを扱う技術

③個々の材料により、ク-ラントの方法を変えることができるノウハウ

④最適な切削速度を選定できる技術

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