立形研削盤とは?円筒研削盤との違いを解説!

立形研削盤は、縦方向に設置された砥石を使用し、加工物を立てた状態で高精度な研削を行う加工機です。近年、製造業ではより高精度な加工が求められるようになり、特に大型で重い部品や複雑な形状の部品の加工において、その真価が発揮されています。木村製作所では、CNC立形複合研削盤「VERTICAL MATE55」を保有し、多様な部品の精密加工に対応しています。

本コラムでは、立形研削盤の基本的な概要から、その特長や円筒研削盤との違い、そして当社が保有する「VERTICAL MATE55」の設備能力と実際の加工事例について詳しくご紹介します。高精度かつ効率的な加工をお求めの企業様に、木村製作所の研削加工の強みと、その技術力をお伝えできればと思います。

立形研削盤とは?

立形研削盤は、縦方向に設置された砥石を使用して、加工物を立てた状態で研削を行う機械です。

通常の研削盤では加工物を水平に固定して加工しますが、立形研削盤では加工物を垂直に固定するため、重力を利用して高精度な加工が可能になります。

この機械は特に大型で重い部品の加工に適しており、精密な仕上げが求められる製造現場で広く使用されています。

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立形研削盤の特徴・メリットとは?

立形研削盤の最大の特徴は、その高い加工精度です。加工物を縦に立てて固定することで、重力の影響を利用し、加工物のたわみを抑えて真円度や平面度といった高精度な加工が可能です。

他の研削盤では難しい高精度な仕上げを実現できるため、精密な加工が必要な部品の製造に適しています。また、立形研削盤は加工物のセットアップが容易で、重い部品でも手早く固定して加工を始めることができるため、作業効率を向上させ、セットアップ時間を短縮します。

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立形研削盤と円筒研削盤の違いとは?

立形研削盤と円筒研削盤は、どちらも研削加工に用いられる機械ですが、その構造や加工方法、適した用途には大きな違いがあります。まず、立形研削盤は、砥石が垂直に取り付けられており、加工物を縦に立てた状態で研削を行います。この構造により、加工物のたわみを抑えながら精度の高い加工が可能で、特に平面や内面の仕上げに適しています。また、重いワークでも安定した加工が行えるため、大型部品の精密な加工に有利です。

一方、円筒研削盤は、砥石が水平に配置され、加工物を回転させながら外周面や内面を研削する機械です。主軸に取り付けられた加工物が回転し、砥石が水平方向に移動して削るため、円筒形状の外径や内径の精密加工に適しています。シャフトやローラー、ベアリングなどの円筒形の部品の外周面や内面を仕上げるのが主な用途であり、軸方向に長い部品の均一な仕上げが得意です。

立形研削盤は、平面や複雑な内面の加工に強みがあり、重力の影響を利用して高精度を維持できる点が特徴です。特に大型の加工物を扱う際に有利で、垂直方向の加工が加工精度を安定させます。一方、円筒研削盤は、回転する加工物の外周や内径を均一に削るため、軸方向の精度が求められる部品に対して優れた仕上がりを提供します。回転対称の部品を高精度に仕上げることが求められる場合には、円筒研削盤が適しています。

まとめると、立形研削盤は高い平面度や内面の精度が求められる加工に向いており、重い部品や複雑な形状の加工に適しています。一方、円筒研削盤は、円筒形状の部品の外径や内径の精密な仕上げに特化しており、特に回転体の部品加工でその力を発揮します。それぞれの特徴を理解し、適した用途に応じて使い分けることが重要です。

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京都で唯一!木村製作所の立形研削盤をご紹介

木村製作所が誇るCNC立形複合研削盤「VERTICAL MATE55」は、京都で唯一の存在です。この複合研削盤は、研削・切削加工のコストダウンを目指す企業にとって非常に高い精度と効率を提供する設備です。当社の「研削・切削加工コストダウンセンター.com」では、VERTICAL MATE55を用いて様々な業界向けの精密部品加工を行い、高精度で複雑な加工ニーズに対応しています。

VERTICAL MATE55は、加工可能な穴径がΦ30~400、外径がΦ500まで対応し、最大325mmの長さの部品を加工できる大型の複合研削盤です。大径や長尺の部品でも高精度な仕上げを実現し、ツールチェンジャーを装備することで内径研削、外径研削、フランジ研削を含む様々な加工を一度の段取りで行うことができます。また、砥石のドレッシングや計測も機上で完結するため、加工精度を保ちながら効率を向上させ、複数の加工工程を一度に集約することが可能です。

CNC立形複合研削盤「VERTICAL MATE55」の加工事例

5G向け製造装置部品①

こちらは、精密切削加工が施された、5G向け製造装置部品①です。旋盤、フライス・研削・ワイヤーと多工程ですが、同芯度・振分け精度が0.005以内と高精度であるため、加工自体が困難な製品です。また、材質も金型に使用されるSTAVAX材のため、このような難削材の高精度加工は非常に難易度が高くなります。

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5G向け製造装置部品②

こちらは、精密切削加工が施された、5G向け製造装置部品②です。全カ所の幾何公差が0.01以下と高精度であるため、加工自体が困難な製品です。また、材質も金型に使用される汎用冷間ダイス鋼DC53のため、このような難削材の高精度加工は非常に難易度が高くなります。

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研削加工のことなら、木村製作所まで!

研削・切削加工コストダウンセンター.comを運営する株式会社木村製作所では、部品の粗加工・精密加工から、調達、表面処理、検査・測定といった加工の前後工程も含めて一貫対応しております。当社は、本社で工作機械部品や半導体製造装置部品といった精密部品の加工を行っており、ナノ加工研究所で超精密加工・仕上げ加工から品質保証の超精密検査を行っております。そのため単なる部品加工だけでなく、部品の一部に必要な超精密加工や検査・測定も一緒に私たちにお任せいただけますと、一貫して対応する分だけコストも抑えることが可能になります。

また当社では、タングステンや超硬、チタン等のあらゆる難削材加工に対応しております。当社は難削材加工のスペシャリストであり、また超精密加工のプロフェッショナルとして、難削材の高精密加工にも対応しております。長年蓄積してきた独自の難削材加工における知見と、産学連携によって開発してきた超精密加工に関するノウハウを合わせて、難削材の高精密加工に対応いたします

さらに当社では、お客様の過剰品質の設計を防止するために、研削・切削加工のプロフェッショナルとしてあらゆる角度からVA/VE提案をいたします。マイクロレベルはもちろんのこと、異なるノウハウが必要とされるナノレベルのどちらにも対応することができる当社だからこそ、最適な品質設計をお客様に提案することができます。

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