半導体製造装置向け部品の加工のポイント

現在の世界的な半導体ブームの影響によって、半導体製造装置の需要も増加しています。半導体製造装置では、傷1つない半導体を製造するために、精度や耐久性も求められます。そのため、半導体製造装置用の部品も高精度なものが必要とされます。

ここでは、そんな半導体製造装置と、半導体製造装置向け部品の加工のポイント、さらには実際に当社が製作した半導体製造装置向け部品の事例をご紹介いたします。

世界的な半導体ブーム

2020年代に入り、5GやCASEと言った言葉が先導して、スマートフォンや自動車、IoT関連で、世界的な半導体ブームが巻き起こっています。この影響により、半導体を作るための半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ:Flat Panel Display)製造装置も活況となっています。さらには、有機EL(Organic Electro-Luminescence)の登場もあわせて、有機ELの量産化も進むと予想されています。

5GやCASEでは、大量のデータ通信が必要となる技術がコアとなっています。そのため、大量のデータを処理するために、より高性能な半導体が必要とされています。そのような高精度半導体を製造するためには、さらに高精度な半導体製造装置が必要となるのです。

半導体製造装置とは?

半導体製造装置とは、その名の通り、半導体を作るための製造装置です。工作機械の母性原理に従い、半導体よりもさらに精密な部品で製造されている装置です。半導体は、非常に小さな傷1つあるだけで機能しなくなる製品です。そのため、非常に細かな作業精度が求められ、装置を作るのにも神経を研ぎ澄ます必要があります。

特に半導体製造装置で使用される真空関連機器は、機能面はもちろんこと、耐久性も高いレベルで要求されます。そのため半導体製造装置向け部品では、耐久性がある難削材が使用されることが多く、また精度が求められるために削り出しの機械加工部品が多く使用されています。

半導体製造装置向け部品としては、以下のようなものがあげられます。

  • ターボ分子ポンプ
  • ゲートバルブ
  • チャンバ
  • ウエハ搬送用アーム
  • ウエハ用テーブル位置決め装置
  • パッキングプレート
  • チップ搬送用トレイ

半導体製造装置向け部品の加工のポイント

上記の通り、半導体製造装置向け部品では難削材の機械加工が多く使用されます。精度に関しては、ミクロンレベルから、一部はナノレベルの精度が求められる場合もあります。

たとえばウエハ搬送用アーム部品では、1ミリ程度の薄肉板厚に対して平面度がミクロンレベルで求められます。また、吸着プレートやチップトレイでは、1000個以上の小径穴加工をミクロンレベルで求められ、さらに穴内径の面粗さがナノレベルになるケースもあります。

さらに加工だけではなく、表面処理や精密検査も求められるのが、半導体製造装置向け部品です。つまり、半導体製造装置向け部品とは、一貫した精密加工の結晶と言えるのです。

 

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半導体製造装置向け部品の事例①:5G向け製造装置部品①

続いて、実際に当社が製作した半導体製造装置向け部品を紹介します。

こちらは、精密切削加工が施された、5G向け製造装置部品①です。旋盤、フライス・研削・ワイヤーと多工程ですが、同芯度・振分け精度が0.005以内と高精度であるため、加工自体が困難な製品です。

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半導体製造装置向け部品の事例②:5G向け製造装置部品②

こちらは、精密切削加工が施された、5G向け製造装置部品②です。全カ所の幾何公差が0.01以下と高精度であるため、加工自体が困難な製品です。

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半導体製造装置向け部品の事例③:精密小径穴加工品

こちらは、精密切削加工が施された、半導体業界向けの精密小径穴加工品です。穴位置精度が±0.005と高精度であるため、加工自体が困難な製品です。

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半導体製造装置向け部品の事例④:チップトレイ

こちらは、精密切削によって加工されたチップトレイです。その名の通り、半導体チップを保持、搬送するために使用される製品で、半導体業界で使用されます。

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半導体製造装置向け部品の事例⑤:精密四角穴ポケット加工品

こちらは、精密切削によって加工された精密四角穴ポケット加工品です。材質はSTAVAXで、主に樹脂成形やセンサー成形基盤の金型として使用されます。

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